マイクロマウス

マイクロマウスの概要と沿革

マイクロマウス競技は、参加者自らが作った自立型ロボットが自律的に(自分の力だけで)迷路を探索し、 ゴールまでに達する最短時間を競う競技です。競技会を「マイクロマウス大会」と呼び、迷路を解析するロボットのことを「マイクロマウス」と呼んでいます。

この競技は、1977年にIEEE(米国電気電子学会)が提唱したことに始まり、日本では1980年より「全日本マイクロマウス大会」として 毎年開催され、我が国で初めての「ロボコン」として毎年全日本大会が開催され続けている、世界でも最も歴史あるロボット競技会です。 (2019年時点で第40回大会を開催)

現在では全日本大会とは言え、欧米の他、アジア地域からシンガポール・台湾・韓国等からも非常に技術レベルの高いロボットが多く参加するなど、事実上の世界大会となっています。

大会規定

大会のルールはこちらになります。

マイクロマウス競技
運営に関する注意事項
評価基準

マイクロマウスクラシック競技
運営に関する注意事項
評価基準

これからマイクロマウスを始めたい方へ

マイクロマウスは、オリジナルを作ることが称賛される大会です。タイムアタック競技ではありますが、ライバルは他の競技者ではなく、過去の自分であることがほとんどです。昨年の自分よりも0.1秒でも早く走ることを目指します。そのため、マイクロマウス大会の英訳は、競争を意味するcompetitionではなく、contestを用いています。

マイクロマウス大会ではお互いの技術を称賛しあい、切磋琢磨する文化から、チャンピオンを含む多くの参加者が開発情報を公開しています。「この設計図を見て真似たからといって、来年のオレに勝てると思うなよ」というチャンピオン達の言葉はすごくかっこよいと感じるのがマイクロマウスの参加者達です。

マイクロマウスは、古くから書籍やキットが作られていますが、初心者が入りやすいように勉強用に準備されたものです。もちろんキットでも大会に参加できますが、どこか一つは自分で工夫してオリジナルなものを付け加えてください。キットは教材としても様々な工夫がなされていますので是非参考にしてみてください。

迷路の入手方法

迷路の柱と壁、迷路のベース類は、 自分で作りたい場合は、規定の図面を参考にしてください。また、 公式迷路の柱と壁、迷路のベース類は、株式会社アールティが製造、販売しています。

マイクロマウス大会でのロボット競技について

マイクロマウス大会では、マイクロマウス競技とロボトレース競技の2つのロボット競技を開催しています。マイクロマウス大会では、エンジニア育成のために、いずれの競技もロボットを自ら開発することを推奨しており、オリジナル機体での参加を呼び掛けています。市販キットを組み立ててでの出場も可能ですが、何か一つでもオリジナルで開発した機能をロボットに組み込むことを推奨してます。

マイクロマウス競技/クラシックマウス競技

マイクロマウス競技は、ロボットが自ら迷路を解いて、最短経路でスタートからゴールへたどり着く走行時間を競うロボット競技です。現在は、名刺サイズのマイクロマウス競技(旧ハーフサイズ)と、初心者/技術チャレンジ向けの手のひらサイズのクラシックマウス競技の2種類があります。この迷路を解く自立移動ロボットのことを「マイクロマウス」と呼んでいます。

ロボット競技では、自律と自立の文字の使い分けをしています。自立はロボット1台で完結して動くことを指し、自律は外部に頼ることなく 自ら判断してコントロールをすることを指します。マイクロマウスは、1台のみで完結する「自立移動」ロボットです。

マイクロマウス(宇都宮さんの機体、マウス交流会2018にて撮影)
クラシック競技(左)とマイクロマウス競技(右)

迷路は、16×16区画のものを用います。クラシック競技では、1区画が18×18㎝で、スタートは左端の区画、ゴールは真ん中の4区画と決められています。マイクロマウス競技では、1区画が9×9㎝で、スタートは左端の区画、ゴールは大会ごとに事前通知されます。全日本マイクロマウス大会での決勝戦のみマイクロマウス競技では32×32区画になります。いずれの場合でも、マイクロマウスは、迷路情報としてスタートとゴール位置のみを与えられて競技に臨みます。

マイクロマウス競技(全日本マイクロマウス大会2018決勝戦)
マイクロマウス競技(全日本マイクロマウス大会2018決勝戦)

大会では決められた持ち時間の間に5回迷路を走行することができます。(持ち時間は大会によって異なりますが、5~7分程度です。)マイクロマウスはスタートすると、各種センサーを駆使して自力で迷路を解いて、ゴールへとたどり着きます。そのため、初回走行は迷路の探索、マップの作製を行います。マイクロマウスは最短経路を発見したら、いかに早くゴールへたどり着くかを競い合います。5回の走行中、一番早い走行タイムがその機体の記録となります。詳しくはマイクロマウス競技規程をご覧ください。


2018年全日本マイクロマウス大会マイクロマウス決勝戦チャンピオンの走行
映像は実測で早送りではありません。

マイクロマウス競技は、人工知能がいかに賢く迷路を解くか、センシングしたデータから機体にあったルートを検出し、機体をリアルタイムに高速制御するというロボット技術が詰め込まれています。そのため、製作者のメカ、電装系、ソフト、人工知能の持てる技術のバランスでマイクロマウスのロボットとしての性能が決まります。マイクロマウス競技出身者はイノベーションを起こせる人材として評価され、各企業のロボット開発の第一線で活躍しています。

最近の投稿

カテゴリー